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145.ピリピリ痛い帯状疱疹

今回は皮膚科の病気ですが、顔面に出ると眼科にも関係する帯状疱疹の話です。

1)帯状疱疹の原因は?

皆さんは子供の頃、水ぼうそうにかかったことがありますか?帯状疱疹は水ぼうそうと同じウイルスが引き起こします。前々回で書いたヘルペス角膜炎を起こすヘルペスウイルスの一種です。このウイルスもやっかいで、何十年も神経節に潜んで、突然、帯状疱疹を引き起こします。

2)症状と特徴

身体の左右どちらかの神経に沿って水疱が現れピリピリと痛みを伴います。腹部、背中、顔面が好発部位で、50歳代から発症頻度が上がります。
加齢、疲労、ストレスなどが引き金になり、免疫力が低下して起きると言われますが、突然起こります。

3)治療法は?

治療は2段階、第一は帯状疱疹ウイルスの増殖を抑える治療、第二は発疹が無くなった後も残る神経痛を抑える治療です。

第一の治療:発疹が出ていて痛みがある初期の治療は抗ウイルス薬、痛み止めの内服です。
ウイルスの増殖を抑える薬で、アシクロビル、パラシクロビル、ファムシクロビルがあります。大切なのは、発症後48時間以内に治療を始めること、72時間を過ぎては効果は期待できません。左右どちらかはっきりと分かれ、痛みを伴う水疱が現れたら急いで皮膚科を受診してください。痛みには、鎮痛剤を服用します。通常、1週間の抗ウイルス薬の内服で症状は良くなります。

第二の治療:帯状疱疹が厄介なのは、皮膚の発疹が無くなった後でも、痛みが残る場合があることです。この痛みには鎮痛補助薬という種類の内服を使い、痛みの強い方には神経ブロック注射を行うこともあります。

4)眼科が関係する顔面の帯状疱疹

三叉神経の第一枝の帯状疱疹は額から瞼、鼻にかけて発疹が出ます。この場合、角膜炎、ぶどう膜炎を起こすことがあります。角膜炎ではゾビラックス眼軟膏を使い治療すると良くなります。
厄介なのは、帯状疱疹ヘルペスウイルスによる、ぶどう膜炎です。実は鼻と、目の毛様体という組織は、三叉神経の同じ枝の支配なので、鼻に疱疹が出た場合、かなり高い確率でぶどう膜炎を起こします。発疹もきれいに消えた1週間から2週間頃に、突然激しい目の炎症が起こり、目のかすみを自覚します。また、眼圧が上昇しているケースも多いです。私は、鼻に発疹が出た人には、皮膚がきれいになった頃に、目のかすみが出たら、すぐに受診して欲しいとお話しています。ゾビラックス眼軟膏、ステロイド点眼、眼圧を下げる点眼で治療しますが、症状が強い場合は、ステロイドの内服も必要になります。

それ以外にも顔面神経麻痺を引き起こすこともあり、とにかく合併症の多い病気です。左右どちらか、ピリピリと痛み水疱、疱疹が出たら、とにかくすぐに皮膚科を受診しましょう。


(2022.3.2更新)


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