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157.例年の5倍?今年のスギ花粉

天気予報では、今年のスギ花粉の量は例年より多く、過去10年で最も多い年になりそうです。昨年の夏、気温が高く、日照時間が多く、雨が少ないという花芽が作られる条件がそろったためです。スギ花粉症の方にとって辛い春になりますが、少しでも軽く過ごすことができるように工夫していきましょう。

1)スギ花粉症はなぜ起きる?

免疫の働きをするIgE抗体という物質があります。スギ花粉に反応する特異的IgE抗体を持っている人の鼻や結膜では、スギ花粉と反応し、粘膜の細胞からヒスタミンやロイコトリエンというアレルギー症状を引き起こす物質が放出されます。この2つの物質がくしゃみ、鼻づまり、目の痒みという不愉快な症状を引き起こします。

2)触れない、部屋に持ち込まない、取り除く

花粉症の予防に大切な一番は、花粉に触れないことです。マスクをして、鼻の粘膜に花粉が触れないようにします。これは花粉症の方は皆さんしていることですね。
目はメガネをかけるだけで花粉を50%カットできます。上方からも花粉が入ってくるので、つばのある帽子をかぶってもらうとさらに効果的。薬局で売っている顔との隙間のないメガネをかけるとさらに効果的です。

室内に持ち込まない、これもとても大切です。ドアを開ける前に、髪、上着、ズボンやスカートを軽く3回なでるようにして花粉を取り除く、これだけで室内に持ち込まれる花粉が3分の1になると新聞で読み、びっくりしました。

掃除機をかけると花粉が舞い上がるので、始めに拭き掃除をしてから掃除機をかけるとよいそうです。先日、新聞の家庭欄で読みました。

3)薬を上手に使おう

鼻がつまり呼吸が苦しくなると、能率も落ち、学生は勉強にも支障が出ます。薬と上手に付き合ってください。

内服薬:アレルギーの原因になるヒスタミンをブロックする抗ヒスタミン薬の飲み薬が使われます。第一世代の抗ヒスタミン薬は眠気の副作用が問題でしたが、今は眠気の少ない第二世代の抗ヒスタミン薬が主流です。

点鼻薬:抗ヒスタミン薬が主成分のものと、ステロイド薬が主成分のものがありますが、どちらも鼻づまりに効果があります。

点眼薬:これも抗ヒスタミン薬が主流です。ただ症状がとても強い時はこれにステロイド点眼を加えます。ステロイド点眼は眼圧が上昇したり、感染症を起こすことがあるので、なるべく抗ヒスタミン薬点眼で様子を見てもらい、辛い時だけ使ってもらうようにお話しています。


(2023.3.5更新)


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