多摩区 中野島・登戸 ふじえ眼科

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167.緑内障②:緑内障にいろいろあり

緑内障と言っても実は色々な分類があり、名前があります。
2022年に改訂された緑内障ガイドラインに従ってご紹介します。
まず大きくは原発緑内障と続発緑内障に分かれます。
原発緑内障はさらに、原発開放隅角緑内障と原発閉塞隅角緑内障に分かれます。
一つずつ見ていきましょう。

1)原発開放隅角緑内障

これは、眼圧が正常範囲より高い原発開放隅角緑内障と正常眼圧緑内障に分かれます。
日本人の正常眼圧は10-20mmHgですが正常上限の20mmHgを境に分類しています。

①原発開放隅角緑内障
隅角は虹彩と角膜の境に360度ある目の中の房水の下水道です。ここが狭いと目の中に房水がたまり、眼圧が上昇します。しかし隅角検査で隅角が開いているにもかかわらず眼圧が20mmHg以上に上昇するタイプです。

②正常眼圧緑内障
隅角が開放していて、なおかつ眼圧が20mmHgにもかかわらず、視神経がダメージを受け視野が障害されます。2000年に岐阜県多治見市で大規模な緑内障の疫学調査が行われた結果、開放隅角緑内障の9割が正常眼圧であることがわかりました。
以前は眼圧が高いことが緑内障のリスクと思われていましたが、眼圧が低くても決して油断してはいけないと、私たちも気を引き締めました。

2)原発閉塞隅角緑内障


隅角が加齢などの変化で狭くなり、房水の排出が低下して眼圧上昇をきたし、視神経の減少をきたしたものです。

「急性緑内障発作」
通常、じわじわと眼圧が上昇し、視神経繊維が障害を受けますが、急激に360度隅角が閉塞し眼圧が上昇したものが「急性緑内障発作」です。眼圧が40-80mmHgの著しい高値になり、視力低下、かすみ、目の痛み、頭痛、吐き気などの症状が出ます。
患者さん自身、自分が閉塞隅角であるということを知らず、急に前記の症状がでて眼科を受診する方は少なくありません。

3) 続発緑内障

他の眼疾患(虹彩炎が代表です)、全身の病気、ステロイドを代表とする薬物使用が原因となって眼圧が上昇する病態です。
虹彩炎の場合は、原因の虹彩炎の治療をし、炎症を抑えれば通常、眼圧は低下し、視神経繊維は障害されませんが、まれに緑内障性視神経症に進み、視野が障害されます。

今回は自分でも、難しい内容になってしまったと反省していますが、緑内障にいろいろなタイプがあること、緑内障と診断された時、治らない病気だとがっかりしたり、不安を持ったりしないで気長に治療に取り組んでいただきたいと思い、書きました。


(2024.1.10更新)


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