多摩区 中野島・登戸 ふじえ眼科

多摩区・ふじえ眼科コラム

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24. ドライアイの話し

1) 「涙の話し」の復習から

先月のコラムでは、涙について書きました。涙は涙腺で作られ、分泌され、目の表面を覆い潤してくれます。一部は大気中に蒸発し、残りは鼻涙管に排出されます。

2) ドライアイ(乾き目)はなぜ起きる?

涙の分泌と排出のバランスが崩れ、目の表面に十分な涙が保たれない状態が起こります。
分泌が低下する、蒸発が増える、涙の性質が変わり目の表面からすぐ流れてしまうという理由があります。それぞれを見ていきましょう。

①分泌が低下する
涙は涙腺で作られますが、この産生量が減ってしまう人がいます。膠原病の一つでシェーグレン病という病気があります。これは涙と唾液の分泌が低下する病気で、目の表面に傷ができやすくなります。こうした病気を持っていなくても涙の量の少ない人は大勢います。
シルマーテストという診断法があり、下まぶたに細いろ紙を5分間ぶら下げてもらうと、通常は2cm位ぬれてくるのですが、涙の少ない人は5mm以下です。
この場合は外から涙に代わるものを補うことになります。涙と同じような成分の目薬(人工涙液)を頻回に点眼します。

②蒸発が増える
冬は空気が乾燥しています。エアコンを使うと余計に乾燥します。そして最近はパソコン業務が増えました。私たちの目は1分間に20回くらいまばたきをしていますが、パソコンを使っているとまばたきの回数が減ります。現代人の生活はストレスがいっぱいです。
メガネをかけるだけで目の表面からの涙の蒸発を減らすことができます。
部屋が乾燥しているときは、加湿器を使いましょう。
パソコンを使っているときも努めてまばたきをしてください。

③涙の質の変化
涙の量は大丈夫なのに、すぐに目が乾いてしまう人がいます。涙をフルオレサイトという色素で染めて青い光をあててみると、まばたきをした後、目の表面に均一に涙の膜ができるのですが、それがすぐ薄くなってしまいます。前回お話した涙の油層やムチン層の変化で涙の質が変化して起こるようです。すぐに涙が流れてしまうので涙が有効活用されません。
最近、ムチンの生産を増やし、なおかつムチン層を安定させる点眼薬ができました。

涙は前回お話したように1日に1.5mlくらいしか分泌されないのに、実に大活躍し、不足するといろいろな不愉快な症状を引き起こします。

次回はドライアイの症状を、具体的な対策をお話しします。

そして最後に・・・・

昨年の3月はスギ花粉の飛散が多く、花粉症の患者さんはとても辛い思いをしました。今年はほぼ平年並みで、去年よりずっと少ないのですが、やはり花粉は飛びます。早めの花粉症対策をお忘れなく。

川崎市多摩区 ふじえ眼科 院長 藤江敬子 プロフィールはこちら

2012/1/16 更新

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