多摩区 中野島・登戸 ふじえ眼科

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25. 涙目(流涙症)の話し

前回はドライアイの話しをしました。今回は逆に「涙が出て困る」という涙目、流涙症(りゅうるいしょう)の話しをします。
まず、前々回の「涙の道」の復習から始めましょう。涙は涙腺で作られ、目の表面に分泌され、涙点から鼻涙管を通り、鼻に流れて行きます。この下水の流れが悪くなると、涙目の症状が起こります。

1) 原因は

原因はいくつかあり、なかなか一筋縄ではいきません。涙の道の図を見ながら説明します。
涙の道
涙が目の表面に分泌されました。結膜は年齢とともにお肌と同じように、しわがよってきます。これを結膜弛緩症といいます。平らな床とでこぼこした床を想像してください。でこぼこした床は水はけが悪いです。目の表面も同じで、結膜弛緩症があると涙の水はけが悪くなります。

まばたきの力も衰えてきます。まばたきをすることで涙を涙点に送り込むポンプの働きをしていますが、その力も落ちてきます。

最後に下水管の働きをしている鼻涙管の問題です。若い時は、太い下水管で下水がスムーズに流れますが、これも細くなりつまりがちになってきます。

涙目は原因がいくつか重なり合ったもので、なかなか治療が難しい病気です。

2) 治療

涙は目の潤滑油、涙が出ないと目が傷だらけになり、患者さんは痛みで辛い思いをします。
涙が目の表面で余っているぶんには、視力が落ちることもなく、放っておいても大丈夫です。とはいえ、いつも涙目で目の周りがただれたり、ハンカチが手放せないのはとても辛いものです。
実は、私自身が結膜弛緩症があり、時々、目尻の皮膚がただれて辛い思いをします。私は具合が悪い時は、眼軟膏を目の周りの皮膚に薄く塗っています。大分、不愉快な症状が治まります。

結膜弛緩症が原因の場合は、余った結膜を縫い縮めてしまうという手術法があります。
鼻涙管の詰まりが原因の場合は、シリコンでできた細いチューブを鼻涙管に通し、それを3か月くらい留置して管を広げる方法があります。

涙目は、視力が落ちることがないため、今まであまり眼科のなかで、治療に重点を置かれずに来ました。けれど、実際に私が涙目になってみて、とても不愉快なものであることを、身を以て感じました。これからもっと良い治療法が発達することを、患者の一人として期待しています。

川崎市多摩区 ふじえ眼科 院長 藤江敬子 プロフィールはこちら

2012/2/15 更新

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