多摩区 中野島・登戸 ふじえ眼科

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34. ぶどう膜炎その2:原田病

前回は、ぶどう膜炎という病気の概要をお話ししました。今月から3回は、代表的な原田病、サルコイドーシス、ベーチェット病についてお話します。

1) 原田病とは

フォークト・小柳・原田病とも呼ばれ、ほぼ同時期に3人の医師がこの病気を発見し、それぞれの顔を立てて長い名前がつきました。日本では原田病でとおっています。
私たちの体にはメラニン細胞があります。日焼けをするとシミ・ソバカスができますね。これはメラニン細胞の中のメラノサイトの仕業です。原田病は自分のメラノサイトを攻撃し炎症を起こす、メラノサイトにたいする自己免疫疾患と考えられています。
患者さんの血液を調べるとほとんどの方に特殊な遺伝子が見つかるので、遺伝性の病気と考えられています。

2) 症状

体の中でメラノサイトが存在するのは、ぶどう膜、髄膜、内耳、皮膚、毛髪です。原田病は目だけではなく、こうしたメラノサイトの存在する部位に炎症を起こす全身の病気です。
目の症状として、網膜の視力に影響のある部分が大きく腫れ上がりますので、患者さんは視力低下を感じて受診します。
目以外の症状として、難聴、脱毛、皮膚や髪の毛が白くなるというものがあります。メラノサイトが障害を受けたために起こるのです。

3) 治療

現在、確立されているのは、ステロイドの大量療法です。入院してステロイドの点滴を受けてもらいます。その後はステロイドの内服に切り替え、慎重に量を減らしていきます。
一般に、原田病はステロイドが大変良く効き、治りの良い病気です。ただ一つ、難点があります。ステロイドを減らしていく過程で、しばしば再発が見られることです。経過を見ながら慎重に慎重にステロイドを減らしていきます。

川崎市多摩区 ふじえ眼科 院長 藤江敬子 プロフィールはこちら

2012/11/15 更新

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