多摩区 中野島・登戸 ふじえ眼科

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44. 片頭痛

視界の隅に稲妻のような物が見えた、花火のような光が見えその後、片方の目の奥が痛くなった。こんな訴えで受診する患者さんがいます。片頭痛のことが多いです。良く耳にする病気ですが、実は頭痛の診断と治療は、かなり難しいものです。
片頭痛は症状が多彩ですが、おさえておくべき特徴がいくつかあります。また、治療もいろいろあります。
今回は、片頭痛の症状と治療をお話しします。

1) 片頭痛とは

頭痛は大きく2つに分かれます。脳出血や脳腫瘍という病気があって起きる器質性頭痛と、脳には何も異常がないのに起こる症候性頭痛です。片頭痛は、症候性頭痛で、命が脅かされるものではありませんが、患者さんには、日常の生活に支障のでる辛いものです。
片頭痛は、脳の動脈が突然拡張するため、血管周囲の組織を圧迫して起きると考えられています。典型的な症状として
① 突然、起きる
② 頭痛の前になにか前触れがある(最初に述べた「光が見える」というような症状です)
③ 片側が痛むことが多い、両方痛むこともあるが左右差がある
④ 拍動を感じる
⑤ 頭痛に伴い、吐き気、嘔吐を起こすことがある
⑥ 音や光に敏感になる
⑦ 25歳くらいまでに発病する
上記のすべての症状が当てはまるわけではありませんが、自分にあてはまるものはありますか?

2) 目の症状

眼科を受診する患者さんは、「目の前に星が飛ぶ」「1分ほど視界がぼやけた」「稲妻のようなものが見えその後、頭痛、吐き気がした」こんな症状で受診します。光が現れそれが徐々に消えていく症状は「閃輝暗点せんきあんてん)」と呼びます。
ほとんどの方が視力、眼圧、目の動き、眼底検査、どれも異常は見つかりません。

3) 予防と治療

始めに予防についてお話しします。実は私も片頭痛がありますが、頭痛を起こす引き金に気づき、予防するようになってから、鎮痛薬を飲むことがなくなりました。私は、戸外に長時間いた後、片頭痛を起こします。おそらく日光を長く浴びること、また戸外でも騒々しい場所がいけないので騒音が引き金です。それに気づいて、そうした環境をさけるようになって頭痛を起こす回数は減り、起こしても軽く済むようになりました。「頭痛ダイアリー」というものがあります。患者さんに、頭痛を起こした時の状況を記録してもらいます。それを見ているうちに、法則のようなものが見えてきます。その状況を避けると、頭痛の回数が減り、楽になる患者さんもいます。
それでも、頭痛がひどく、寝込んでしまう、仕事にならないという人は、薬が必要になります。まず一般的な頭痛薬(消炎鎮痛薬)で楽になる患者さんがいます。ただ、消炎鎮痛薬には拡張した血管を収縮させる働きはありません。血管を収縮させてくれるのが「トリプタン」という薬です。現在、5種類ほどの製剤が出ていますが、それぞれに効き目の強さ、作用時間の長短に違いがあります。また薬の値段が高いです。

頭痛の薬は、その量、飲むタイミング等、まさに「匙加減」が大切です。私は、目に病気がないことを確認し、近くの脳外科の先生にご紹介し、治療をお願いしています。

川崎市多摩区 ふじえ眼科 院長 藤江敬子 プロフィールはこちら

2013/9/17 更新

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