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73.涙の働き

  新年、明けましておめでとうございます。これから3回、涙に関するコラムを書きます。今回は「涙」についてです。

1) 涙はどんなもの?

 涙を作る工場は、上まぶたの奥にある涙腺という分泌腺です。そこで作られた涙は涙導管という管を通って目の表面に、にじみ出てきます。涙は一日にたった1ml位しか作られません。この微量の涙を有効活用して、私たちの目は、外界からのいろいろなストレスから守られています。

2) 涙の成分や働きはどんなもの?

 人間の体液、唾液など、ほとんどややアルカリ性でpH7.5くらいです。涙も同様に、pH7.2-7.8の弱いアルカリ性です。涙は塩辛いですね。約0.9%の食塩水に相当します。
 涙の働きは、まず、目を乾燥から守ることです。涙が十分に分泌されないと、乾燥感を感じ、また目の表面に小さい傷ができ痛みを感じることがあります。
 次に、大切な殺菌作用があります。常に目の表面を潤わせ異物や細菌を洗い流します。
涙の98%は水分ですが、それ以外に、目を守るために大切な多くのものを含んでいます。アルブミン、グロブリン、リゾチームといったタンパク質は、免疫力で目を感染から守ります。
 栄養補給も大切な仕事です。黒目(角膜)には血管がありません。血管がないことで透明性を保つことができるのです。でも、血管がなかったらどうやって酸素や栄養を得ることができるのでしょうか。角膜は虹彩(茶目)の根本で作られる房水という液体と涙から養分と酸素を得ています。
 涙はまた、目の表面を均質に平らに保ってくれます。このお蔭で、私たちは鮮明にものを見ることができます。

3) 涙が不足するとどうなりますか?

 これは、ドライアイと呼ばれる現象で、目が乾く、疲れやすい(意外に眼精疲労の原因となることが多いのです)、ゴロゴロとした不快感、物がかすんで見えるといった多彩な症状があります。ドライアイとその治療については、次回にお話しする予定です。

4) 涙目はどうでしょうか?

 大切な涙ですが、目からあふれ出て支障をきたすこともあります。これを涙目、正式には流涙症と呼びます。涙は大気中に蒸発するとともに、余ったものは目頭近くにある涙点という排水溝から鼻に流れて排出されます。この経路のどこかに滞りがあると涙が目からあふれ出て、なかなか辛いものです。この原因はいろいろあり、治療も一筋縄ではいきません。涙目については3月号で書く予定です。

2016/1/6更新

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