多摩区 中野島・登戸 ふじえ眼科

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104.ぶどう膜炎 その3 急性前部ぶどう膜炎・強膜炎

大変な暑さが続きます。皆様、熱中症に注意してお過ごしください。
ぶどう膜炎シリーズ最終回です。

1) 急性前部ぶどう膜炎

ぶどう膜炎の約5-6%をしめる病気です。
「前部」の名の通り、目の前方、虹彩と毛様体に強い炎症が突然起こります。
症状は、「急性」の名の通り、突然の充血、強い眼痛、視力低下です。前房に強い炎症が出て、虹彩と水晶体が炎症で癒着します。
とにかく急激な視力低下、眼痛があるので、ほとんどの患者さんは、発症直後に急いで受診してくれます。原因はヘルペスウイルスによるもの、原田病やベーチェット病のように遺伝素因で発症するタイプもあります。
治療ですが、ウイルス性のものは抗ウイルス剤の内服、眼軟膏、必要に応じてステロイド点眼を使用します。ウイルスが否定的なものは、積極的にステロイドの点眼、症状が強ければ内服を用います。
虹彩と水晶体が完全に癒着してしまうと瞳孔が動かなくなってしまうので、この予防がとても大切です。患者さんは、眩しくぼんやりして辛いのですが、必要性を説明して、散瞳剤(虹彩を広げる点眼薬)をつけてもらい、癒着を予防します。

2) 強膜炎

白目の一番外側は「結膜」です。結膜は卵の薄皮のような膜ですその下にある、しっかりと目の形状を保ってくれる壁が強膜です。
やっかいなことに、ここにも炎症を起こす病気があります。それが強膜炎で。ぶどう膜炎の約6%を占めます。
症状は、まず充血、そして眼痛がありますが、急性前部ぶどう膜炎よりはずっと軽い症状です。結膜炎との鑑別は、前房に炎症があるか、患者さんが痛みを訴えるかが手掛かりになります。
原因は不明の方が多いのですが、リウマチといった膠原病に伴うものもあります。
治療はまずステロイドと散瞳剤の点眼です。これでほとんどの方は治りますが、この病気のやっかいなところは、再発が多いところです。1年以内の再発が15%、3年以内の再発が30%といわれていますが、当院の患者さんでも、3年後くらいに同じ症状で受診する方は珍しくありません。きちんと再発の可能性を説明しておくことが大切です



(2018/08/08更新 )


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