多摩区 中野島・登戸 ふじえ眼科

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107.応急処置③:目にボールをぶつけたら

野球、テニスといった球技では、目にボールをぶつけることがあります。これを眼球打撲と呼びます。
眼球打撲の際、チェックしておきたい注意点をお話しします。

1) 物が二重に見えませんか?

目は眼窩(がんか)という頭蓋骨のくぼみに入っています。この眼窩を構成する骨の壁は大変薄く、前方から強い力がかかった時、骨折し、ひびが入ることがあります。これを眼窩底骨折と呼びます。
このひびに、眼球についている筋肉や、眼球の周囲の脂肪が食い込むと目の動きが制限されます。ほとんどが内側の壁、下の壁の骨折です。
目には、目を動かすための6本の筋肉がついています。内側の壁の骨折では外に向く筋肉の動きが、下の壁の骨折では上に向く筋肉の動きが制限されます。
症状は「物が二重に見える」です。複視ともいいます。
複視がでたら、是非、眼科を受診してください。治療は手術になります。骨折した部分から、食い込んだ筋肉や脂肪をはずし、補助のプレートを入れます。

2) 視力は落ちていませんか?

眼球打撲で視力が落ちる原因は、前房出血、眼底出血、網膜剥離などが考えられます。順番に見ていきましょう。

①前房出血
角膜と虹彩・水晶体の間のスペースを前房と呼びます。強い外力が加わり虹彩が切れてこの部分に出血すると視力が落ちます。たいていは、時間の経過とともに吸収されますが、眼圧が上がる場合があり、この場合は、眼圧を下げる点眼薬を使いながら、吸収を待ちます。

②眼底出血
網膜の血管が強い圧力で切れて起こります。自然に吸収を待つことがほとんどですが、まれに、物を見る大切な場所である黄斑部に起こると視力が低下します。
その場合は、目に特殊なガスを注入し、うつぶせで血液を周囲に散らす処置、あるいは手術で血液を除去することもあります。

③網膜剥離
ボクシング選手が網膜剥離を起こしたニュースをお聞きになったことはありますか?
網膜の周辺部に孔が開きそこから網膜が剥がれる病気です。小さい孔ならレーザー治療で剥離を防ぐことができますが、剥離になってしまったら手術が必要です。

眼球打撲の後、物が二重に見える、視力が落ちた、見えない場所がある等の症状があれば、上記の病気を起こしている可能性があります。この場合は、眼科受診をおすすめします。

(2018/11/07更新 )


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