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112.角膜③:感染症に要注意

角膜シリーズの3回目です。今回は角膜の感染症についてお話しします。角膜は上皮に細菌やウイルスを防ぐバリア機能がありますが、角膜に傷がついてバリア機能が破れると、感染にとても弱くなります。角膜に感染症を起こす犯人は、細菌、ウイルス、真菌(カビです)があります。

1) 細菌感染症

角膜に傷がある、コンタクトレンズを装用しているという場合が多いです。症状は目の痛み、充血、メヤニ、視力低下などです。
原因の菌は、肺炎球菌、ブドウ球菌、緑膿菌、モラクセラが多いのですが、ブドウ球菌やモラクセラは常在菌として皮膚や瞼に存在しています。通常は悪さをせず、私たちと共存していますが、角膜に傷がつくと、牙をむくことがあります。
通常は抗生物質の目薬を頻回点眼すれば治りますが、重症の場合は抗生物質の点滴が必要になる場合もあります。

2) ウイルス感染症

ほとんどがヘルペスウイルスによるものです。単純ヘルペスによるものと、帯状疱疹ウイルスによるものがあります。
①単純ヘルペス
私たちはほとんどの人が知らないうちに単純ヘルペスに感染しています。ヘルペスウイルスはくせ者で、一度感染すると神経節に潜み、抵抗力が弱ると悪さをします。
特徴的なのは、樹枝状角膜炎といい、木の枝のようなかたちをした角膜上皮の傷が見られます。
治療はヘルペスウイルス治療薬のゾビラックス軟膏を目に点入すること、重症ではヘルペスウイルス治療薬の内服も加えます。
②帯状疱疹ウイルス
私たちが子供の時にかかった水ぼうそうのウイルスです。これも、ずっと神経節に潜み、何十年もたって悪さをします。眼部の場合、目の周りに水疱が出て腫れるので、患者さんはまず皮膚科を受診し、皮膚科から紹介で受診する方が多いです。
帯状疱疹ウイルスでは、発症したらすみやかに抗ウイルス薬を飲んでもらうこと、目に炎症があればゾビラックス軟膏とともに、ステロイドの目薬を使う場合もあります。

3) 真菌感染症

庭木の手入れをしていて木の枝で目をついた等の外傷を伴う場合が多いです。こうしたエピソードがあり、抗生物質の点眼で効果がない場合は真菌を疑います。診断は病巣部を削り顕微鏡で見て、カビの菌糸が見つかれば間違いありません。
ピマリシンという真菌に効果のある目薬を使うとともに、抗真菌剤の内服、点滴を行います。

目をぶつける、何かでつくといったケガをした後、目が痛み、視力が低下したら、角膜感染症の恐れがあります。角膜感染症は急激に重症になることも珍しくないので、眼科を受診してください。

(2019/4/03更新 )


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