多摩区 中野島・登戸 ふじえ眼科

多摩区・ふじえ眼科コラム

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94.緑内障:原因と早期発見

テレビや雑誌で取り上げられることが多い緑内障。視野(見える範囲)が欠ける病気ですが、自覚症状が乏しく早期発見が難しいこと、一度障害された視野は元に戻らないことから、メディアにもよく取り上げられるようになりました。

1) 緑内障とは

網膜には視神経繊維があり、その神経が色・形をとらえ脳に伝達して見たものを解析します。この視神経繊維が障害を受け、数が減少し、視野が欠損する病気が緑内障です。

2) 原因:まず眼圧に注意

 緑内障原因の一番は「眼圧」です。眼球を維持するために、目には適度な硬さがあります。ボールの弾力のようなものと考えてください。目の内容物が眼球の壁を押す力が「眼圧」です。正常は10~20mmHgです。これを超えると網膜の視神経が障害を受け緑内障になる確率が高くなります。
しかし、眼圧だけが原因ではないこともわかってきました。眼圧が25mmHg近くあっても全く視神経が障害を受けない人もいます。こうした人は「高眼圧症」といい、経過をみれば大丈夫です。逆に、眼圧が正常範囲内なのに、視神経が障害を受け視野が欠ける人がいます。これを「正常眼圧緑内障」と呼びます。

3) 眼圧が正常でも要注意:正常眼圧緑内障

平成12年から13年にかけて、岐阜県多治見市で40歳以上の住民を対象に大規模な調査が行われました。多治見スタディと言います。約20人に1人が緑内障でした。そしてそのうちの9割近くが眼圧が正常な、正常眼圧緑内障だったのです。
正常眼圧緑内障の患者さんは、もともと視神経が弱く正常眼圧の範囲でも視神経が障害を受けるのではないかと考えられています。もう一つ、原因として考えられているのが、眼科を受診した時は正常眼圧でも、一日の他の時間帯で眼圧が高くなっている可能性です。一日24時間の眼圧を測定できないかと、コンタクトレンズタイプの終日の眼圧測定装置が実験・実用化にむけて研究中です。

4) 40歳を過ぎたら検診を

 緑内障になる確率は40歳を過ぎた頃から上がります。眼科や人間ドックで眼圧測定をしてもらいましょう。20mmHgを超えると要注意です。眼底検査を受けると視神経の障害がわかります。人間ドックで「視神経乳頭陥凹の拡大」と書いてあるのは「緑内障の疑いあり」ということです。
最近、つまずきやすくなった、右側にあるもの、あるいは左側にあるものを見落としやすいといったことはありませんか。視野欠損のサインかもしれません。


緑内障の治療は、眼圧が高くても、正常でも、点眼薬で眼圧を下げることから始まります。
眼圧を下げると視野欠損の進行を遅らせることができます。早期発見・早期治療が大切です。


2017/10/4更新


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