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172.網膜②:網膜静脈閉塞症

今月からは、色々な網膜の病気を紹介していきます。
第一回は、網膜静脈閉塞症です。
血管には動脈と静脈があります。網膜の動脈は、網膜に酸素と栄養を運んでくれます。静脈は二酸化炭素と老廃物を運び去る役割をおっています。動脈を水道、静脈を下水に例えましょう。下水が詰まると水があふれだします。網膜の静脈が詰まると静脈の血液があふれ出し、眼底出血を起こします。これが網膜静脈閉塞症です。

1)「中心」と「分枝」

網膜中心静脈閉塞症網膜静脈閉塞症には「網膜中心静脈閉塞症」と「網膜静脈分枝閉塞症」があります。
大きな太い静脈が詰まると、網膜一面に出血を起こします。上の写真が網膜中心静脈閉塞症です。

小さな枝の静脈が詰まると、出血は限定的です。下の写真が網膜静脈分枝閉塞症です。






網膜静脈分枝閉塞症












2)原因

血栓、動脈硬化が原因とされています。特に動脈硬化が多く、硬くなった動脈が静脈と交叉する部位で静脈を押しつぶし、血液があふれ出します。

3)症状

中心静脈閉塞症では、上の写真のように一面に出血するので、ほとんどの患者さんが視力低下で受診します。

分枝閉塞症の場合、物を見る中心の黄斑部にかからない小さな出血では無症状のこともあります。人間ドックで偶然見つかる方もいます。
出血の部位が広いと「一部、見えないところがある」視野欠損を訴えます。黄斑部にかかると視力低下、歪みを訴えて受診する方が多いです。

4)治療

網膜静脈分枝閉塞の場合、出血が黄斑部にかからなければ、視力低下もなく、自然治癒を期待し経過を見ます。ほとんどの方は自然に出血が消退し治療の必要はありません。

網膜中心静脈閉塞症や、網膜静脈分枝閉塞症で出血が黄斑部に及び、視力が低下した患者さんは治療が必要になります。血管内皮増殖因子抑制剤(抗VEGF薬)を硝子体内に注射する治療です。この治療でほとんどの患者さんは出血が消退し、黄斑部の浮腫も改善し、視力が向上します。
ただ、治療の費用がかなり高額です。そして黄斑部の浮腫が1回の注射では治らず、何回も注射が必要になる方がいます。この点が課題で、薬価の安い薬、1回での治療効果の高い薬の登場が待たれます。


(2024.6.5更新)


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