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182.閑話休題②:アイフレイルとは?

先月に引き続き、日本の眼科2024年10月号にアイフレイルの記事が載っていたので、ご紹介します。フレイルとは健康な状態から徐々に身体的機能が低下して機能障害におちいりやすい状態になったことを言います。加齢により心身が老い衰えた状態とも言えます。身も蓋もない言い方ですが、私も毎日感じること、できるだけ元気に健康に、目のフレイルを考え、出来ることから始めたいと思います。

引用は昨年9月に行われた「第28回日本眼科記者懇談会」です。

1)アイフレイルは病気の手前?

まず40歳を過ぎたころから皆さんを悩ませるのが老眼です。私たちの目は、若い時はオートフォーカスレンズ、遠く、中間距離、近くとすいすいピントを合わせてくれます。ところが40歳を過ぎたあたりから、水晶体のピント合わせの力が落ち、近くを見る時、十分に膨らんでくれなくなります。そのため私たちは、それを代償するために凸レンズ、老眼鏡が必要になります。
そして大きく変化した生活環境、パソコンとスマートフォンの使用です。

「でも目の不調を老眼やスマートフォン使用のためだけにしていると、目の病気が隠れているのを見逃すことがありますよ」と懇談会は警鐘を鳴らしています。

2)アイフレイルって何?

始めに述べたようにフレイルとは、身体の予備能力が加齢により低下し、要介護状態となる前段階。でも適切な介入でまだ健康を回復できる状態です。フレイルを予防、介入することで健康寿命の進展を目指しています。

フレイルにもいろいろあり、身体的フレイル、精神的フレイル、オーラルフレイルなどがお互いに影響しあいます。
オーラルフレイルとは噛む力が落ちる、物を呑み込み辛くなる、唾液の分泌が少なくなるなどを言います。

2021年に日本眼科啓発会議は、加齢に伴う目の機能低下をアイフレイルと名付けました。
放置すると視機能がさらに低下し、日常の生活制限につながります。アイフレイルを早期に発見、適切に治療・対処を行い視機能障害を予防することを目的としています。

3)アイフレイルに関する意識調査

2024年に約12000人を対象に、目の健康に対する意識や検査受診率などを行いました。

40から50代の約42%が目にかんする不調を訴えています。また「小さな文字が読みにくい」44.5%、「目が疲れやすい」35.8%です。

緑内障は40歳を過ぎると有病率が6.4%、約20人に1人の割合ですが、診断された時に自覚症状がなかったは56.5%と半数になります。緑内障の視野欠損は自覚しづらく、また自覚した時は、かなり進行しています。会社の健診で、「視神経乳頭陥凹の拡大」「視神経繊維束欠損」「緑内障の疑い」等指摘されたら眼科受診をお勧めします。

4)自分でできるチェックリスト

「日本眼科啓発会議」で検索すると6つのアイフレイルチェックリストが出てきます。
アムスラーチャート
視野セルフチェック「クアトロチェッカー」
視野チェックシート「クロックチャート」
10秒&目の症状チェック
コントラスト感度簡易セルフチェック
おうちでかんたん見え方チェック「アイミルン」(これはアプリです)
です。
アムスラーチャートは黄斑部の病気を見つけるのに役立ちます。格子の中央を片目ずつ見て、線に歪みが無いか、黒く欠ける部分が無いか調べます。
視野セルフチェックはクロックチャートがわかりやすかったです。
アイミルンは親子で視力検査をしてみようというアプリ、ゲーム感覚です。



(2025.4.9更新)


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