195.眼瞼下垂の新しい治療法
「以前はパッチリした目だったのに、まぶたが落ちてきた」「まぶたが邪魔で、上の方が見にくい」こんな眼瞼下垂の治療は、手術しかありませんでしたが、眼瞼下垂治療の点眼薬が認可されました。オキシメタゾリン、商品名はアップニークミニ点眼液0.1%です。
1) 眼瞼下垂の原因と症状
眼瞼下垂は、先天性と後天性に分類されます。後天性眼瞼下垂の原因には加齢、コンタクトレンズの長期使用、眼科手術などがあり、多くはまぶたを持ち上げる筋肉の力が低下と、まぶたの腱膜の劣化が原因です。
まぶたは、動眼神経支配の上眼瞼挙筋、交感神経支配のミューラー筋により持ち上げます。この筋肉の力が衰えると、まぶたが下がり、上方が見づらい、暗いといった不都合を感じます。
瞳にまぶたがかかると不自由になるので、従来はミューラー筋を短縮する、上眼瞼挙筋の腱膜を腱板に固定するといった手術を行いましたが、今回、点眼薬の新しい治療法が出たので、これを紹介します。
2)オキシメタゾリン
ミューラー筋は交感神経のα受容体の支配を受けて動きます。オキシメタゾリンはこのα受容体に作用して、ミューラー筋を収縮させ、上眼瞼挙を挙上させます。適応ですが軽度の後天性眼瞼下垂です。下垂が瞳孔を塞ぐような場合は、手術の適応になります。
残念ですが、保険適応外なので、自費となります。オキシメタゾリン、商品名アップニークミニ点眼液0.1%を一日1回点眼で平均して1mm程度のまぶたの挙上が8時間程度続くという報告があります。
手術にはまで決心がつかないという方は試してみてもよいでしょう。
3) 注意点
交感神経のα受容体に作用しますが、ミューラー筋以外のα受容体にも作用するので注意が必要です。① 狭隅角の人
オキシメタゾリンは瞳孔を広げる作用もあります。目の中の水(房水)の出口である隅角の狭い方は、瞳孔が開くことで眼圧が上がる可能性があります。
② 心臓に病気のある人
心臓にも交感神経受容体があり、血圧上昇、心拍数増加の可能性があります。
4) 必ず専門医の診断を受けて使用してください
5月に発売される点眼薬で、当院では治療は行う予定はありません。今回のコラムは、新しい選択肢が出たことを紹介するのみですので、ご理解ください。こうした容姿に関する薬はインターネットで出回ることがありますが、自分が狭隅角か否か、眼科医に指摘されている方以外は、自覚は無くわかりません。
必ず、「オキシメタゾリンの治療を行っています」という眼科を受診して、治療の適応になるかを診断してもらってください。
(2026.5.13更新)