136.近視・近眼とは?
これから4回のシリーズで近視、遠視、乱視、老眼のコラムを書く予定です。
今回は近視(近眼)の話をします。
1) 近視とは?
私たちの目は、角膜と水晶体で光を集め、それを網膜に投影し、その情報を脳に伝えて、物を見ています。ピントが網膜の前に合ってしまうのが近視です。近くを見るのには困りませんが、遠くの物はピントが合わずぼやけて見えます。
近視の原因には、屈折性近視と軸性近視の2つがあります。
屈折性近視は、角膜と水晶体の屈折力が強すぎて網膜の前にピントが合うもので、軽い近視に多いです。
軸性近視は眼の奥行、つまり眼軸長が長すぎて網膜の前にピントが合うもので、強い近視に多いです。眼軸長は通常24mmですが、強度近視の人には30mmの人もいます。
2) 原因は?
実はまだ研究の途中です。現代人は遠くを見ることより近くを見ることが多いため、水晶体が厚くなり近視が進むのではと考えられています。ゲーム機やスマートフォンといった私の子どもの頃には無かった物がどんどん増えてきました。30分遊んだら休憩を入れるようにしましょう。眼軸長が伸びる人とそうではない人と、どこで分かれるのかもまだ研究の途中ですが、以前のコラムにも書いたように、戸外で遊ぶことが眼軸長の伸展の予防になることが、今、注目をあびています。
3)眼鏡と治療
生活に不自由を感じたら眼鏡をかけましょう。私は弱い近視なので、学生時代は授業の時だけ眼鏡をかけました。ただ、見えないのに放っておいてはあまり良いことはありません。黒板が見づらくなったら眼鏡をかけましょうと勧めています。レーシック手術はもう20年以上の実績があり、近視を治したい、眼鏡やコンタクトレンズなしで生活をしたいという方には選択肢になります。ただ角膜を削る手術なので、強度近視の方には不向きです。
(2021.6.2更新))