138.乱視:月が2つに見える?
近視、遠視に続き今回は乱視の話です。
近視は網膜の前に焦点を結び、遠視は網膜の後ろに焦点を結ぶため見づらさを感じます。
乱視は実は、遠くからの平行な光線が網膜のどこにもはっきりした像を結ばない状態です。
1)乱視をたとえて言うならば
乱視をたとえて言うなれば、「角膜がラグビーボールのような形です」とお話します。乱視のない目の角膜の形状は野球のボールの様に、どの角度を取っても同じカーブですが、乱視の角膜は角度によってカーブが異なります。そのため、どの距離でも網膜の上にはっきりした像が結びません。
2)乱視の種類
正乱視と不正乱視の2種類があります。正乱視は、角膜あるいは水晶体の縦横にゆがみがあり、縦横で焦点が異なります。乱視のほとんどが、正乱視です。
不正乱視は、角膜あるいは水晶体の表面がデコボコになっている状態です。
3)乱視の矯正
軽い乱視で視力が良く、不自由がなければ矯正の必要はありません。見づらい、疲れるという方は、眼鏡やコンタクトレンズで矯正します。そのレンズは乱視の強いカーブを直角に打ち消す方法です。コンタクトレンズはハードコンタクトレンズがレンズのカーブをそのまま自分の角膜のカーブとして代用できるので、矯正の力が優れています。ただ、最近は乱視用ソフトコンタクトレンズで良いものが多くあります。不正乱視は、角膜にデコボコがある場合が多く、ハードコンタクトが一番良い適応です。
(2021.8.4更新)