140.子供の弱視
視力には「裸眼視力」と「矯正視力」があります。私は近眼で、裸眼視力は両目とも01しかありません。きちんと近視の眼鏡を合わせると1.2の指標が見えます。
子供は未発達な状態から、網膜にきちんとピントが合った像を結ぶことにより視力が発達していきます。子供の視力は年齢かける0.2といわれ、1歳なら0.2、5歳ならほぼ大人と同じ1.0の視力が得られます。
矯正しても視力が上がらない場合を「弱視」といい、何か発達を妨げている原因があります。
1)原因は?
原因には大きく4つあります。
① 角膜や水晶体が濁っていて、目の中に光が入らず網膜が刺激を受けず視力が発達しない。
② 斜視があり、外れてしまう目を使わないため、視力が発達しない。
③ 強い近視、遠視、乱視があり、網膜にピントが合わない。
④ 片方の目に強い遠視や乱視があり、そちらの目を使わないため、視力が発達しない。これを「不同視弱視」といいます.。
2)早く見つけて、早く治療を
小さなお子さんは自分から「見えない」と言うことはありません。また、弱視は大人になってからでは治療をしても効果はありません。早く見つけて、眼鏡装用など治療を始めることが大切です。そのために、3歳児健診では、視力検査があります。次回は弱視の治療、特に「不同視弱視」の眼鏡装用についてお話します。
(2021.10.3更新)