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64.黄斑円孔

今月も、網膜の病気を紹介します。一番大切な黄斑に孔があく、黄斑円孔という病気です。

1) 黄斑円孔とは

  網膜の中で一番感度が良く、視機能の90%以上が集中している部位、そこが黄斑です。その大事な黄斑に孔があき視力が低下する病気です。

2) どんな症状がでますか

  患者さんの訴えは多様ですが、物が歪んで見える、見たいところ(中心)が見えない、暗い、物が小さく見える、視力が落ちた、このような訴えで受診します。

3) 原因は?

黄斑円孔、治療前   一番の原因は加齢による硝子体の変化によるものです。眼球は硝子体(しょうしたい)というゼリー状の物質で満たされています。年齢が進むとともに、この硝子体が収縮します。網膜と硝子体は接触していて、硝子体が収縮するとき、素直にぽんとはずれてくれればよいのですが、うまくはずれずに網膜に孔を開けてしまうことがあります。これが、運悪く黄斑に起きた場合、黄斑円孔が起こります。
 写真は1か月前から右目が歪むと受診した患者さんの眼底写真です。黄斑部(点線・○で囲った部位)に丸く孔があいています。




4) 治療

黄斑円孔、治療後  20年前は黄斑円孔は治らない病気でしたが、今は硝子体手術で治せる病気になりました。
まず、黄斑部の前にある硝子体を切除します。次に網膜の最も内側の内境界膜という薄い膜をはがし、最後に眼内に特殊なガスを注入します。術後は辛いのですが、うつ伏せの姿勢をとってもらいます。ガスが円孔を抑え孔をふさいでくれます。この手術で最も大変なのは、術後に1週間ほどうつ伏せの姿勢を取り続けることです。ただ、これがうまくいかないと円孔が閉鎖せず再手術が必要になる場合があります。
 写真は先にお示しした患者さんの術後です。きれいに円孔が閉鎖しました。視力は術前0.15から4年の経過がかかりましたが、0.8まで回復しました。

5) 早期発見・早期治療

 治せる病気になったとはいえ、やはり早期発見で治療をしたほうが、術後の回復は早いです。どうしたら、早期発見ができるでしょうか。時々、片目ずつ物を見ることです。私たちの脳は両目で見たものをおぎないあいます。意外に一方の目の視力低下に気づきにくいものです。時々、片目ずつ目をふさいでみてください。線がゆがんで見えませんか。カレンダーの今日の日付をみてください。見たいところが黒く抜けたり見えなかったりしませんか。こんな症状があったら、黄斑部の病気のサインです。早めに眼科を受診なさることをお勧めします。

2015/4/8 更新

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